お前の唇、奪っていい?



「結婚?」


「お、おじ様ったら急に何言って...」


「こいつはこんなだが、顔はいいし頭も悪くない。
家庭的だし、悪い所と言えば少し自己中心的な所だけだ。
...君は彼女はいないんだろう?菜々子に聞いたよ。社長の孫と結婚するのは、悪い話ではないんじゃないか?」




.....いやいや、意味わかんねー!!


どうしたらそんな結婚とかふざけた話になるんだよ!?




奥村さんも流石にそれには驚いたようで、目を大きく見開いている




「おじ様、確かにあたしは祐誠くんの事が好きですけど、いきなり結婚とか、そんな事は望んでないですから」


「いいじゃないか、これから関係を紡いでいけばいい話だ。とりあえずは許嫁という事だよ」




いや、全く変わりないから




だけど相手は事務所の社長、下手に声を張ることも出来ない




「社長、まだ俺は高二なので、結婚とか許嫁とか、まだ考えられないっていうか...」


「まぁまぁ、座りなさい」


「あ、すいません...」




言われるがまま社長の目の前の椅子に座り、顔をぐっと社長に近づける




このまま素直にはいわかりました、なんて言うかよ!