お前の唇、奪っていい?



「っていうことがあったの...ねぇ、どう思う!?」


「どうって...その、奥村さんだっけ?その人は祐誠くんの事が好きなんでしょ?
どう考えても奥村さんが何か企んでるとしか思えないけど...」


「だよね!!」




祐誠の家を出た後、すぐ私は千紗に電話をかけた




やっぱり千紗も、私と同じこと思ってたんだ




毎年、お墓参りには私と祐誠、ふたりで必ず行っている


平日だったら学校終わりに行って、
休日だったら午前中に行ってお昼ご飯を一緒に食べる、っていうのが、
いつしか私たちの当たり前になってた




だけど、今年は少し予定がズレちゃった




午後からでも、全然大丈夫だしなんの問題もないんだけどね




でも、今回は奥村さんが絡んでる気がする


千紗が言ったように、奥村さんは何かを企んでるのかな...