お前の唇、奪っていい?




「いいねぇ、もう少し視線落として」




カシャ、カシャ、とシャッター音が聞こえる




顔写されないで良かった...




撮影に私の顔が入らないように、さっき祐誠がカメラマンさんにお願いしてくれた




...んだけど




そのせいで、私は祐誠に抱きしめられる格好になってしまいました...




今回の撮影は、私がしているジュエリーが主役




誰もが知っているブランドの新作で、テーマは
"どこから見ても男を魅了するネックレス"




さっきそのネックレスを見たけど、本当にどこから見てもキラキラと輝いて素敵だった




だから今、後ろ姿を撮るために祐誠に抱きしめられている




緊張しすぎて、心臓うるさい...




「おい、舞」




ふと、撮影中に祐誠に小声で話しかけられた




「緊張しすぎ、リラックスしろ」


「む、無理だよ...顔は映らないとはいえ、こんなの初めてだもん」


「ったく、しょーがねぇな。...すみません、一旦ストップしてください」


「え、祐誠?」