お前の唇、奪っていい?



祐誠の姿を発見した私は、驚きの声を上げた




「うわぁ!?なにその格好!?」


「なにって、タキシード」




そ、それは分かるよ!?

だ、だけど、これじゃあ私たちが結婚するみたいじゃん!




「似合ってるだろ、俺だもんな、似合わないはずねーよな」




ふふん、と自慢げに胸を張る祐誠に、私は何も言えなかった




だって、その通りだったんだもん、タキシード姿の祐誠、すっごく、かっこいい




真っ白なタキシードは、まるで祐誠のためだけに作られたものみたいだった




やばい、すごいドキドキする




「うん、かっこいい。今回は認める」


「ふーん、やけに素直じゃん?じゃあご褒美な。お前もそれ、似合ってる」


「ちょ、なに...」




ご褒美って、頭ぽんぽんされてるだけなんですけどっ...そりゃあ、祐誠ファンの子にはご褒美だけどさ...

私、幼馴染だし。そんな子ども扱いされてもムカつくだけだもん




「似合ってるって...冗談やめてよねー!
でも凄いよね、松本さん。こんなに素敵にしてくれたの。
あ、でもドレスが綺麗なお陰でもあるね」




へへ、と少し照れ気味にそう言うと、んー、と祐誠は小さく唸った




「...いや、お前だから似合ったんじゃねー、の」




...え?