我ながら大胆なことをした。
後から恥ずかしくなった。急に抱き寄せるとは……他の子だったら殴られていたかもしれない。


教室に戻ってすぐ、岸田たちに話しかける。


「なんだ?」


「メレンダを呼び出したみたいだけど、本当に告白するつもり?」


冷静に、二人の目を見て聞いた。
岸田たちの目が忙しなく動く。


「そういうことなら、メレンダは来ないから。もうこんなふざけたことしないでね。ひどい場合は先生に言うよ」


低めの声で警告した。
何人かの視線が僕に集まる。


機嫌悪いのか?あんな声で話すんだな。
ひそひそと話す声が聞こえる。


このタイプの注目はいつになっても慣れない。
注目されるのなんかライブと先生に当てられたときでいいんだ。


前髪をかきあげ、ため息をついた。