ナオはいつものやつね、みたいな雰囲気醸し出して肩を、すくめて笑い出す。


またこいつ来たよ。

「大丈夫か?ウォンバット」

本気で心配そうにあたしの肩をポンポンするこの男。


白百合 蓮。

名前だけ聞くとなんて素敵で可憐な人なんだろうとか想像するけどそんな想像をぶち壊してくれる頭おかしいヤツだ。

いや、実際黙って仕事してればもしかしたらそう見えなくはないのかもしれない…が、もうこいつの頭のおかしさと言ったら言葉では表せないレベル。


現に今も多分あたしの事だろうけど、ウォンバットとかほざいてるし。

ウォンバットが失恋するわけねーだろ。

しかしいつもの事だからシカトする。


「失恋したウォンバットは言葉も発せなくなったか…」

そもそもウォンバットって言葉は発さなくね?

いいとこ鳴き声だけだと思うぜ。

こいつ黙ってればまじでかっこいいんだけどな…ほんと芸能人も顔負けのレベルで顔は整ってる。

多分頭おかしくなっちゃった分、顔とハイスペックなところで補ってあげようって神様が優しさ見せたんだろうな…。