腕にも頭にも背中にもダッコちゃんならぬコアラちゃんの人形がいっぱいくっついている。
心なしか動物みたいな匂いもして臭い。
「はい、確かに。
コアラ遂行されたようですね
おめでとうございます
この後はご自由お過ごしくださいませ」
乗務員さんは貝塚くんを見てお題を終えた事を言う。
「まじでおれ本当にどうしていいか分からなくて、大変だった…」
頬までやつれて貝塚くんの面影もない。
「見た感じから伝わるわよ」
ナオは鼻をつまみながら貝塚くんをシッシッと追い払う仕草をしている。
哀れ貝塚よ。
「動物園行って、一人でコアラの写真撮りまくってたら変質者と間違われて檻の掃除させられるし
コアラの人形買いすぎて職務質問受けるし
もう俺疲れたー」
鳴き真似する貝塚くん。
災難すぎましたね…。
あなたが身振り手振りする度に物凄い動物臭が凄いんですけど…。
「もう終わったならイイじゃない
それより早くお風呂入ってきた方がいいわよ
貝塚くんの愛しの華が凄い顔で貝塚くんの事見てるから」
鼻を摘んで話しているせいか変声期でも使ったような声で話すナオ。
いや、臭いと思ってるのは事実だけどあたしだけのせいにするなし。
ナオの方があからさまに臭がってるやんけ!
