昨日化粧も落とさず睡眠を貪った為、シャワーを浴び、コーヒーを飲み軽くメイクをし外に出る。


むせ返るような暑さに嫌気が覚えつつも、休みの日なのになぜ会社近くのパンケーキ屋に行かねばならんのだと思いながら足を進めた。


「いやー、暑いわね」

「えぇ暑いですね」

ナオは暑いと言いながらも一切乱れのない涼し気な顔を見せる。

同性から見てもうっとりするくらいナオは綺麗だ。

しかし、その綺麗さを鼻にかけることのないナオをあたしは大好き。

多少強引な所があるが、面倒見のいいおねーさんって感じ。


こんなアホなあたしともナオは入社以来仲良くしてくれてる。


「んで?昨日は蓮さんとどーだったのよ?」

定番のパンケーキを二人で注文し、
ナオは待ってましたかというように聞いてきた。

「どーだったのもこうも相も変わらず頭おかしかったよ」

先に出てきたアイスコーヒーを飲みながら答える。


「華…端折りすぎてなんなも伝わらない…」

ナオははぁと溜息をつく。


あたしは昨日の出来事をナオに話した。


「ねぇ、やっぱり蓮さんナオのこと好きなんでしょ!悟ってあげなよ」
ナオは話を聞くとそう答える。


「いやいやいや、ほんとないって」
この話を聞いてどー思ったらそんなことになんのナオさんよ。


「逆にここまでされて好かれてないと思う華が私にはわからないわ」
ナオは本日2度目の溜息をつく。


「いや、あたしはナオがそんなこと思うことがわからないわ。あたしとあいつですよ?

まかり間違ってもそんな雰囲気なわけないじゃん」


「そう?私は蓮さんと華お似合いだと思うけどね

夫婦漫才みたいで」


「ないない。てか夫婦漫才とか求めてないしあたし。

あたしはもっとこう甘い感じを求めてんのよ」


「華そんなだから貝塚くんみたいなふにゃふにゃした男に騙されんのよ」


ふにゃふにゃってなんだよ。

ナオの謎発言に黙り込む。


あたしとあいつがお似合いとかちょっとほんとにやめて欲しいわ。


ナオとあいつがお似合いって言うならわかる。


二人で肩を並べて歩いても…


うん、美男美女で完璧!