「俺佐藤さんに嘘ついた」
「ナオに?」
嘘という名の妄想癖?
ぶぷ。
「本当は今日の社員旅行のメンバー俺じゃなかったんだよ」
「あぁ、それはさっき言ってたじゃん
メンバーだった人が体調不良で来れなくなったんでしょ?」
「表向き…はな…。」
「は?表向き?」
裏向きがあるの?
月を見ていた蓮が急にこちらを向き、フッと頬を緩めた。
その動作さえ美しく感じる。
「貝塚くんともう一人の子がメンバーだったんだけど…。
俺がその子に話し掛けたらその子が変わってくれるって言うからさ。」
「話し掛けただけで変わってくれたの?」
「あぁ、ちょっとした俺の熱視線も添えて話し掛けたんだけど」
あぁ。
きっとさっきの卓球みたいに威圧したんですね。
元メンバーだった方、断れなかったんでしょうね。
ご愁傷様です。
