「え、最後のお願いじゃなかったの?」
あたし的には最後抱き合って、お互い違う恋に歩む展開のはずなんだけど…?


少女漫画の優等生な貝塚くんならそこはそうやって終わるべきじゃない?



「ん〜、なんか華のこと抱いたら諦めきれなくなった」
ヘラっと笑う貝塚くん。


その顔は先程までの切なげな顔ではなく、いつもの貝塚くんだ。



「俺ってこんなに大人気無かったんだな。華のこと諦められない」



でぇええええええええええ!?


「今日は約束どおり白百合先輩のところ行きなよ

俺とは0時までの約束でしょ?
同じ男としてそこは我慢するよ。
正々堂々と戦いたいしね」


いや、もう戦わなくて結構です。


「そ、それじゃあ」
しかしあたしにも時間が無い!
急がねば奴にやられる!!!


あたしは貝塚くんの部屋を逃げるように出て奴が泊まっているであろう部屋へ向かった。