「せ、先生?」

「はい。そうです」

「2年1組の担任ですよね? 私、1組の堀江 奏美です…」

「嘘!?」

「本当です」


先生は目を丸くして驚いていた。


「まあ、ここでは関係ないので。普段の先生でいてください」

「そうですね。では、侑斗って呼んでください」

「侑斗さんも、敬語はなしで」

「うん、わかった。じゃあ、次は…」


侑斗さんは隣に座る男の子に目を向けた。


矢野 和希(やの かずき)。春宮高校1年」

「春宮なの?」

「そうだけど、なに?」

「いや、別に…」


なんかさっきから睨まれてるんだけど……


「きみは?」

「…ボ、ボクは矢野 柚希(やの ゆずき)です。かずくんと同じ春宮高校1年です。よろしくお願いします」

「よろしくね! 柚希“ちゃん”」

「ゆずは男だから」

「え!? 男の子なの!?」


ふわふわな花柄のワンピースを着て、クマのぬいぐるみを抱いている可愛い子が男の子とか……ありえない!!