全校集会が終わって、明日からは夏休み。

「待ってました! 夏休み!」という気分ではない。

だって、課外なんだもん!


「暑いよ〜ひなぁ〜」

「私だって暑いわ! いちいち口に出さないで! 余計に暑くなる!」

「水遊びしたいな〜」


そんなことを言いながら2人で中庭の横を通る。

どうやったら涼しくなるん……


「ひゃっ!!」

「カナ!」


背中に水を浴びた 私。

いや、あのね、うん。
暑いなぁとは思っていたけど……


「すみません! 大丈夫ですか!?」

「あはは、暑かったのでちょうどよかったです。涼しくなりました」

「本当にすみません!」


頭を下げる用務員のお兄さんに「大丈夫ですよ」と言ってその場を後にした。


「カナ…着替えなよ」

「ジャージ持ってない」

「私も昨日持って帰っちゃった。ごめん」

「いいよ。家まで帰るだけだし。乾くでしょ」

「いや、それが……すごく透けてるんだよね」

「……まじですか」


そうだよね。水を直に浴びればそうなるよね……