「私と翔は1階を掃除するね」

「ありがとう」


私の家は3階まである。

1階と2階は生活する場所。
3階には、パパとママが撮った写真がたくさん飾ってあるの。


3人で暮らすには広すぎるし、部屋の数も多い。

パパとママはほとんど家にいないから、いつも掃除をするのは私。


そろそろお手伝いさんとか雇ってくれないかなぁ。


そんなことを思いながら、一部屋ずつ掃除をして生活に必要なものを準備した。


「カナー! 終わったよー!」


1階からの陽菜の呼びかけに、私は急いで階段を下りた。


「私も終わった! 陽菜、翔也、ありがとう!」

「なんとか間に合ったな」


時計をみると17時40分だった。


「本当に大丈夫なのか?」

「うん」

「ほら! 翔、早く帰るよ」

「うわっ! ちょっと!」


陽菜は翔也の腕を掴んでドアを開けた。


「カナ、またね!」


そう言って2人は帰って行った。