メインの料理が運ばれてくる頃、綺麗な色をした、
飲み物が運ばれてきた。

カクテルに見える、私お酒は断ったのに・・・

困惑して、エリックさんを見る。

「このホテルにはバーもあってね」

「お酒を飲めない人の為に、お酒に見立てた、
 ソフトドリンクもあるんです」

「私も車の運転をしないといけないからね、
 アルコールは入っていないよ、安心して」

そう言われて、少し口をつける。

美味しい。


お酒を飲んでいる訳でもないのに、
少し酔った気分になり、声をかける。

「エリックさん・・・」

「何」

「あの・・・」

そう言って、彼の青い目を見る。

「今、お付き合いしている人っているんですか?」

聞いてから、心臓がどきどきしてきた。

ほんの少しの合間のはずなのに、すごい時間が経っている気がする。

「いないですよ」

「本当に?」

「本当に」

そう言って微笑む。

「綾乃さんは?」

聞かれて、え?と返す。

「お付き合いしている人、いるんですか?」

「いないです」

「本当に?」

わざとらしく聞かれ、くすくす笑って答える。

「本当に」

そう言って、綺麗な飲み物に再び口をつける。

なら、好きにな気持ち、封印しなくていいですよね。

アルコールは入ってないのに、
自分の気持ちに完全に酔ってしまった。