星資堂は、化粧品業界でも大手で、プレッシャーも大きかったが、
満足してもらえたという結果に、じわじわと喜びが沸き上がってくる。

喜びをかみしめながら、席に座ろうとすると、
前川主任が、手招きして、私を呼んだ。

なんだろうと、座りかけていた腰を上げ、主任の元へ行く、

先ほどとは違って、小声で私に話しかけてきた。

「この後、3時に部長の元へ行ってくれ」

「部長の所ですか?」

制作課は主任が全て采配をしており、部長と話しをする事はあまりない、
主任もなんだろうという顔をしており、聞き出すのは無理だと判断した。

「わかりました」

私も小声で返し、席に戻る。

皆ももう普通の仕事に戻っている。