予定が空いて大学の後輩に電話をした。
 未紗の約束、忘れるわけにいかないよね。

「奈々?久しぶり。仕事はどう?」

 懐かしい話をひとしきりした後に本題を話す。

「うちの会社の後輩でさー。
 可愛い子がいるんだけど、誰かいい人紹介できないかな?」

「朋花さん!
 私が紹介して欲しいくらいですよ!!!」

「あ、そうなんだ。ごめんごめん。」

 後輩の小泉奈々。
 一時は隆弘を取り合った仲で、険悪だったこともあったんだけど。
 まぁなんだかんだで時も過ぎたしね。

 それにしても頼みの綱の奈々がダメとなるとなぁ。
 他の女の子は何故か早々と結婚していて、男の子はなぁ。

 当時、隆弘に悪くてあまり連絡先を交換できなくて。
 そんな遠慮いらなかった気がする。
 今、思うとだけど。
 当時はそれがいいことの気がしていた。

 ……なんか悪い方向の思い出も思い出したな。
 ま、私が勝手にやってたことだけどさ。

 世界が狭かったんだよね。
 自分の世界は全てが隆弘だった。

 若かったなぁ。