・・・よし、いない! 下校時間から1時間後、今日は練習もないしさすがに帰ってるだろうと思ったけど、読みどおりだったな。 下駄箱に亮介の姿はなく、久々に一人でのんびり帰れそうだった。 「ねぇ、そんなにあの人が好きなの?」 ・・・誰かいる。 下駄箱の反対側から声が聞こえた。 話の内容的に修羅場っぽいな・・・。 そっと、靴を出して履く。 「里奈ちゃんには、関係ないでしょ」 靴を履く手が思わず止まった。 ・・・この声、亮介だ。