「荷物かして」 やや強引に私の手からカバンを取り上げて亮介は前を歩きだした。 送らなくていいって何度も言ってるのに。 背が高いな。これからまだまだ伸びるんだろうな。 ちらっと後ろを振り返った亮介が笑う。 「なに?」 「いや、彼女みたいだなーって思ってさ」 なんだその嬉しそうな顔。 「おめでたい妄想だね」 「まぁね。ポジティブだから」 自転車のカゴにカバンを乗っけて亮介は後ろを指さす。 「乗って」 言われた通り乗ると、動きだした。