一瞬驚いた顔をしたその男は、次に口を歪めて笑った。 「なんだよ、美奈子じゃん」 煙草臭い息が遠慮もなく近づく。 ピアス穴だらけの耳も、カラーで傷んだ茶髪も、口汚さも、女ぐせの悪さも、忘れていた嫌な気持ちも、全部思い出した。 私のはじめてを全部持ってった相手。 最低の男。 「お前知り合い?」 「あぁ、元カノだよ。こいつが中学の時付き合ってた」 「中学生の時かよ?お前犯罪だなー」 顔を近付けてくるもう一人の男を避けて後退る。