「は?」
……ん?
聴覚のいい俺の耳が拾ったのは、想定外の低音ボイス。
「どうでもいい」
吐き捨てられた茶髪の女子の独り言に、俺だけじゃなく、茶髪の女子の周りで様子見していた女子たちも驚愕している。
い、今のは……聞き間違い、か?
「誰がコレ入れたの?」
茶髪の女子のため息に、俺は驚きを通り越して呆然としていた。
俺が発案した、自称金色の手紙イベントを、知らないだと!?
そんな奴がいたのか!?
ま、まさか、そもそもこの俺様を知らないなんてことはない、よな……?
ふと、茶髪の女子が、周囲の女子の視線が自分に集まっていることに気づいた。
周囲の視線は茶髪の女子から、呆然としていてもかっこいい俺に移される。
手紙の主は俺だ、と示唆するように。



