その問題について悩んでいたら、1か月前、ついにある考えにたどり着いた。
それは――。
「何これ」
生徒玄関に、ひと際無愛想な呟きが落とされた。
呟きに誘われて顔を上げれば、下駄箱から金色の手紙を取り出した、茶髪の女子がいた。
「あー、今日はあの子なんだぁ。ショック」
「うらやましい~!」
「私にも届いてほしい!」
俺の周りで媚びるように群がっている女子たちが、嫉妬を少し含んだ羨望の眼差しで、金色の手紙を手にしている女子を眺めていた。
――あの金色の手紙こそが、俺の考え。
全員と恋人関係になるのは無理なので、遊び……いや宝くじ感覚で、「1日俺と一緒にいられる権」を、早朝に女子生徒の下駄箱にランダムで入れることにした。
その権を手に入れられた女子は、その日限定の彼女役。
これで俺のイケメンさを無駄にせず、なおかつ一種のイベントとして女子たちも楽しめる。
我ながらなんて素晴らしい、ウインウインなアイデアなんだろう!



