あの雨の日からちょうど1か月が経った頃。




快晴の朝。


俺は靴を履き替えた後、教室には行かずに、下駄箱全体を見渡せる生徒玄関の中央で仁王立ちしていた。



登校してきた女子は俺に気がつくと、きゃーきゃー騒ぎだす。




「朝から会えるなんて幸せすぎる……!」


「今日もかっこいい!!」


「ここにいるってことは、もしかして今日って“あの日”!?」


「うそ!早く確かめなくちゃっ」




慌ただしく自分の下駄箱を確認する女子たち。


その様子に、俺は密やかに含み笑いをしていた。



ふっふっふっ。

女子たちが俺・赤城 晴【アカギ ハレ】に魅了されるのも当然だ。


なんたって、相手が俺だからな!



生まれつき整ってる顔立ち、世界1似合っているであろう黒髪、高校1年にして180センチもある身長、ネクタイにブレザーの無難な制服も着こなすスタイル。


ほら、文字で説明していても、かっこよさがにじみ出てるだろ?