ここで正直に自分の想いを話していいものだろうか?

迷う私に、副社長は「思っていることを言ってみろ」と促してくる。


「...はい」


私は彼に向き直り、姿勢を正すと、


「結婚とは、お互いの意思でするものですよね?こちらの意思を無視して、『お前、俺の嫁』とか言われても困るって言うか...」

「俺では不満か?」


楽しそうに口角を上げる副社長の瞳はどこか挑戦的だ。


「いや、不満とかではなくて...」


ってこの人何を言っているの?まるで、私を嫁候補として見ているみたいじゃない?


「確かに副社長ほどの方から『俺と結婚しろ』と言われれば、無条件で『はい』と言う女性も多いと思います。ですが...」

「ですが...なんだ?」