「進藤さま」
「えっ!?はい」
副社長の泳ぎに心を奪われていた私に、ふいに掛けられた声。
それに驚きそちらを見ると、制服をきちんと着こなし、頭には白髪の混じったホテル従業員さんがいつの間にか隣に来ていた。
執事と言う単語がぴったりな雰囲気の人だ。
「六ツ島さまからお飲み物を出すように申しつけられております」
ソファーの横に立っていた私にメニューが差し出される。
「仕事中ですから」
私は笑顔で断る。
「ご遠慮なくどうぞ」
従業員さんは更にグイッとメニューを差し出す。
えっと、困ったな。
副社長はどうあれ、私は仕事中だ。しかし従業員さんも副社長の命令で私に飲み物を勧めている。お互いの立場があるし、どうしよう...。
「あの、本当に申し訳ないのですが頂くわけには...」
苦笑いで頭を下げると、
「かしこまりました」
相手も頭を下げてメニューを小脇にかかえて戻って行く。
「えっ!?はい」
副社長の泳ぎに心を奪われていた私に、ふいに掛けられた声。
それに驚きそちらを見ると、制服をきちんと着こなし、頭には白髪の混じったホテル従業員さんがいつの間にか隣に来ていた。
執事と言う単語がぴったりな雰囲気の人だ。
「六ツ島さまからお飲み物を出すように申しつけられております」
ソファーの横に立っていた私にメニューが差し出される。
「仕事中ですから」
私は笑顔で断る。
「ご遠慮なくどうぞ」
従業員さんは更にグイッとメニューを差し出す。
えっと、困ったな。
副社長はどうあれ、私は仕事中だ。しかし従業員さんも副社長の命令で私に飲み物を勧めている。お互いの立場があるし、どうしよう...。
「あの、本当に申し訳ないのですが頂くわけには...」
苦笑いで頭を下げると、
「かしこまりました」
相手も頭を下げてメニューを小脇にかかえて戻って行く。


