時間を持て余していると、社内用携帯が震える。
『副社長室へ来るように』の画面表示。
文字を見ただけで心拍数が上がるのは、付き合い始めたばかりの彼氏からの連絡の時と相場は決まっている。あとはせいぜい就活の合否の連絡くらい。
そのどちらでもないのに、血液が沸騰する感覚。
しかし、のんびりしてはいられない。
私は三浦さんに「副社長室へ行ってきます」と声をかけると、秘書室を後にした。
「ふぅ」と深呼吸をし緊張をはらんだノックと共にドアを開けると、飯塚さんの姿は無かった。居たのは副社長ひとり。
「あの、お呼びですか?」
「用があるから呼んだんだ」
ですよねぇ~。なんておチャラケられる空気では、当然ない。
「はい、申し訳ありません」
私は肩をすくめて頭を下げる。
無言の室内は、またしても重い空気に包まれている。
自己紹介もしていないし、副社長は私のことをきちんと認識してくれているのかな?
突然現れた新人くらいにしか思ってないのかも知れない。
そもそも秘書室への異動命令を出したのは目の前でパソコンのキーボードを叩いている人?それとも別人?
飯塚さんとお迎えに出た時同様、私の顔を見ることなくさっきからひたすらキーボードを叩いている。
『副社長室へ来るように』の画面表示。
文字を見ただけで心拍数が上がるのは、付き合い始めたばかりの彼氏からの連絡の時と相場は決まっている。あとはせいぜい就活の合否の連絡くらい。
そのどちらでもないのに、血液が沸騰する感覚。
しかし、のんびりしてはいられない。
私は三浦さんに「副社長室へ行ってきます」と声をかけると、秘書室を後にした。
「ふぅ」と深呼吸をし緊張をはらんだノックと共にドアを開けると、飯塚さんの姿は無かった。居たのは副社長ひとり。
「あの、お呼びですか?」
「用があるから呼んだんだ」
ですよねぇ~。なんておチャラケられる空気では、当然ない。
「はい、申し訳ありません」
私は肩をすくめて頭を下げる。
無言の室内は、またしても重い空気に包まれている。
自己紹介もしていないし、副社長は私のことをきちんと認識してくれているのかな?
突然現れた新人くらいにしか思ってないのかも知れない。
そもそも秘書室への異動命令を出したのは目の前でパソコンのキーボードを叩いている人?それとも別人?
飯塚さんとお迎えに出た時同様、私の顔を見ることなくさっきからひたすらキーボードを叩いている。


