濁りなく、蒼く輝く大きな満月の下、徹さんと私の影はいつまでもひとつに重なっていた。
桜の花びらが次から次へと終わりを知らないかのように私たちに降ってくる。それは肩に、髪に、頬に、唇に、からまる指に。
後から後から雪のように降り注ぐ。
あなたの唇はいつも私の時間を止める。そう、初めてあなたに唇を奪われたあの日からずっと。
あなたの唇は優しく温かく、切ないくらい私の心を虜にする。
だから、お願い...こうしていて。
桜の海に溺れてしまうくらい。
息ができないくらい。
あなたで私を満たして。
月が世界を照らすように、桜が春を淡い色で包むように。
...空の月はただ静かに私たちを見守っていた。
時を忘れて重なっていた徹さんの唇が、なごり惜しむように私から離れた。
「香奈から聞いた。風花が誤解していたこと。俺のもとを去った理由...」
「ごめんなさい。徹さんはひとりっ子だと聞いていたし、苗字も違っていたからてっきりいがちゃんと恋人同士だと思っていたの」
「俺が風花に嘘をついたことあるか?」
私は首を振る。
「...香奈のやったこと許してやってくれ」
私は無言で頷いた。いがちゃんも辛かったんだもの。そして徹さんを頼りにしていた。
私と同じように彼を失うことを恐れた。
でも大丈夫だよ、いがちゃん。
徹さんはいがちゃんを大切に思っているから。
桜の花びらが次から次へと終わりを知らないかのように私たちに降ってくる。それは肩に、髪に、頬に、唇に、からまる指に。
後から後から雪のように降り注ぐ。
あなたの唇はいつも私の時間を止める。そう、初めてあなたに唇を奪われたあの日からずっと。
あなたの唇は優しく温かく、切ないくらい私の心を虜にする。
だから、お願い...こうしていて。
桜の海に溺れてしまうくらい。
息ができないくらい。
あなたで私を満たして。
月が世界を照らすように、桜が春を淡い色で包むように。
...空の月はただ静かに私たちを見守っていた。
時を忘れて重なっていた徹さんの唇が、なごり惜しむように私から離れた。
「香奈から聞いた。風花が誤解していたこと。俺のもとを去った理由...」
「ごめんなさい。徹さんはひとりっ子だと聞いていたし、苗字も違っていたからてっきりいがちゃんと恋人同士だと思っていたの」
「俺が風花に嘘をついたことあるか?」
私は首を振る。
「...香奈のやったこと許してやってくれ」
私は無言で頷いた。いがちゃんも辛かったんだもの。そして徹さんを頼りにしていた。
私と同じように彼を失うことを恐れた。
でも大丈夫だよ、いがちゃん。
徹さんはいがちゃんを大切に思っているから。


