月が綺麗ですね

「いが...ちゃん。どうして?」


目を疑った。これは夢の続きなんかじゃないよね。


「へー縁側があるの。素敵なお庭ね」


相変わらずマイペースだ。

彼女は玄関から勝手に庭へ回って来てしまっていた。


「良かったわ。いくらベルを鳴らしても出てこないから。わざわざ東京から来たのに、空振りで帰るわけにもいかないし。思い切って庭をのぞいたのよ」


わざわざって...こっちが頼んだみたいな言い方。


「はぁ、疲れた」

そう言ってドカッと私の隣に座った。


「あ、今お茶もってくるね」

「ありがとう。坂道が急で喉かわいちゃった」

「うん」