月が綺麗ですね

「じゃ、またね~」

来た時と同じように、明るく彼女は帰って行った。


それを見送ると、ひとり副社長室に立ち尽くしていた。


きっと、今私が考えていることは...正しい。


いがちゃんと徹さんは...。

そしていがちゃんの下の名前は...。



じゃあ、私はいったい何なの?

遊び?



どうして私に声をかけたんですか?

どうして、愛しているって言ったんですか?

結婚は嘘だったんですか?

体が目的だったんですか?




「...くっ...」



もう泣かないって決めたのに。






冷たい炎に焼かれているみたいだ...。