月が綺麗ですね

おそらくほんの一瞬の出来事だったのに、私にはとても長く感じられた。


「もっとしっかり俺につかまれ」


言われて私は徹さんの首に腕を回して、肩に頭を乗せる。


「はぁ、はぁ」


溺れると感じた恐怖からか呼吸はまだ荒い。


「大丈夫か?」

「...は...い」

「ここは外国人の利用も多いから、こちら側に来ると水深が170センチ近いんだ。段々深くなる構造になっている」


どおりで...足がつかないと思った。