月が綺麗ですね

「ま、私も副社長好きよ。風花と同じくらい。ううん、それ以上かも」


へっ！？

やっぱり、いがちゃんて徹さんと接点あったんだ。
ちょっと意外なんだけど。

でもマネージャーだし、会議とかで会ってたりするのかな？

って、そんなのん気に構えている場合じゃないっ。

背中に冷たい汗が流れる。


「そうそう、同期の前田さん６月に結婚するんだよね？風花もお式に呼ばれてるの？」

「えっあぁ、うん。同期で歌を唄うらしいよ。男の子たちはプレゼントをあげるって言ってた」

「へぇ、私は出席しないから関係ないけど」

「そうなの？」

「だってたいして仲良くないのに、呼ばれても出る必要ないでしょ？義理で呼ぶとか、出席するとか、そう言うの大っ嫌い」


その考え、純ジャパの私には理解できない...。


「あら？もうこんな時間。そろそろ行かなきゃ」

いがちゃんは食事もそこそこに席を立つ。


「じゃ、お互い頑張りましょ」

「あ、うん...」


私の胸にトゲを残して笑顔でいがちゃんはカフェを後にしたのだった。