「さてと、まずは秘書の心得から」
そう言って彼女は話を進める。
私はメモを取りながら真剣に三浦さんの話を聞く。
「まず、謙虚で礼儀正しく。常に控え目に。役員秘書になると自分が偉くなったように錯覚する子がいるけれど、そんな勘違いは絶対しないように。あくまで秘書は裏方よ」
三浦さんは秘書の心得を次から次へと繰り出してくる。
「それから機密事項に触れることも多いからその取扱いには充分注意して。服装は落ち着いた色のスーツならデザインの指定はないけれど、出来るだけ地味にね。靴は黒か茶色、ヒールの高さは5cm。口紅も派手な色は当然禁止。そうね、今流行りの赤とかはダメね」
「はい」
「そう緊張しなくてもいいわよ」
クスクスと笑いながら三浦さんが言う。
自分でも気づかないうちにどうも肩に力が入っていたらしい。
笑顔を向けられて自然と私も笑顔になる。
三浦さんの雰囲気は優しいお姉さんと言った感じ。
この人が教育係で良かったと思う。秘書のイメージはどちらかと言うとツンケンとした印象だったから私はホッとしていた。
この人とならうまくやって行けそう。
そう言って彼女は話を進める。
私はメモを取りながら真剣に三浦さんの話を聞く。
「まず、謙虚で礼儀正しく。常に控え目に。役員秘書になると自分が偉くなったように錯覚する子がいるけれど、そんな勘違いは絶対しないように。あくまで秘書は裏方よ」
三浦さんは秘書の心得を次から次へと繰り出してくる。
「それから機密事項に触れることも多いからその取扱いには充分注意して。服装は落ち着いた色のスーツならデザインの指定はないけれど、出来るだけ地味にね。靴は黒か茶色、ヒールの高さは5cm。口紅も派手な色は当然禁止。そうね、今流行りの赤とかはダメね」
「はい」
「そう緊張しなくてもいいわよ」
クスクスと笑いながら三浦さんが言う。
自分でも気づかないうちにどうも肩に力が入っていたらしい。
笑顔を向けられて自然と私も笑顔になる。
三浦さんの雰囲気は優しいお姉さんと言った感じ。
この人が教育係で良かったと思う。秘書のイメージはどちらかと言うとツンケンとした印象だったから私はホッとしていた。
この人とならうまくやって行けそう。


