幸子がさっきの場所へ戻る頃には、もう皆自分の武器を持って集まっていた。
姫華は日本刀、なのは斧、桃音は出刃包丁...というふうに、3人とも刃物を握りしめていた。
つまり、遠くから攻撃できるのは、ライフル銃をもった美羽、ただ1人だった。
「...みんな揃った?じゃあ、軍隊が来ないうちにすぐにここから出ていこう。」
後ろを向いて歩き出す美羽のどこか勇ましさを感じる背中を、4人は追いかけていった。

「...みんな下がって...!」
急に美羽が立ち止まった。ちょうど、校門が見えるあたりの場所だった。
なんと、校門付近にたくさんの武器やら爆弾やらを構えている軍隊たちが、彷徨いていたのである。
何も知らずに通った人が1人、軍隊によって射殺されたのを見て、5人は後ずさりした。
もちろん、こんなところに女子高生なんかが迂闊に入ってしまえば、すぐに射殺され終わりである。
それを察した美羽は少し考えた後、小声で提案した。
「みんな、西門から出よう。こっそりね。」