偽りの愛言葉

「風神さーん、タオルってどれ使えばいいですか?」


洗面所の方から聞こえてくる声。


風呂から上がったらしい。


「ごめん。俺眠いから切るね。」

「ちょっと!?」


あぁ…やっと終わった。


長電話に無駄遣いしたくないんだけど…。


さて、梓ちゃんのとこに向かいますか。


「タオルならこれ使って。」

「はい!ありがとうございます。」


水に濡れた髪が妙に色っぽくさせる。


いかん、いかん!


何を変態みたいなこと考えてんだ、俺は。


「電話大丈夫でした?」

「あぁ、平気。別に大した話じゃないから。」


電話、聞こえてたんだ。


悪いことしてる訳じゃないのに、なんで俺はこんなにも焦ってるんだろ。