偽りの愛言葉

俺が問いかけてみても、俯きながら口を閉じたまま。


本当に、どうしたんだろう…?


何か俺したかな?


思い出そうとしても、全然頭に浮かばなくて。


ただ君を見つめることしか出来なかった。


「ごめんなさい…今日は帰ります!」


テーブルにお金を置いて、席を立とうとする梓ちゃん。


“このままじゃ帰っちゃう”


そう思って、慌てて俺は腕を掴んだ。


「待って!梓ちゃん、ハンカチありがとう。」


畳んだピンクのハンカチを、そっと差し出す。


俺の顔を見ると少し微笑みながら、ハンカチを受け取った。


なんだろ…


微笑みは微笑みでも、いつもと違う。


どこか切なくて哀しげな笑顔…。


やっぱり、曖昧なままなんて嫌だ。


お互い何でも言える仲にしたい。