あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

歌作りで、まともに授業も聞いていないし、板書の文字も人に見せられたものではないほど、乱れている。

もし、抜き打ちでノート提出があったら、とても点数がもらえないレベルだと焦りさえ感じている。

思っているうちにうとうとし、いつの間にか眠っていた。

目を覚まし時計を観るととうに、13時過ぎだった。

慌てて身体を起こし、スマホの着信がないかと確認する。

ーー和音。わたし、成田着の飛行機であなたに会いにいくわ

エマからのメールに「えーーー!?」と思わず声をあげ、メールを再度、確認した。

俺は急いで速水さんにメールを送った。

折り返されて来た速水さんのメールは「そうか。Soleilのマネジャーには伝えておく。和音、他言無用だ。いいな」と、慌てた様子を感じさせなかった。

さらに「エマからの連絡は逐一、知らせろ。独断で動くなよ」と、念押しの追加メールが送られてきた。