あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

着信音は個別設定しているエマのモノで、飛び起きてスマホを操作し、耳にあてた。

啜り泣くエマの声が聞こえた。

ーー和音。わたし、トニーとはもうやっていけない。Soleilは解散が決まりそう

エマは絞り出すように言った。

「うう嘘だろ、えエマ!?」

ーー出演が次から次にキャンセルされてるの。わたし、それでいいと思ってる

「えエマ……おお落ちつ着いて」

ーーわたしは冷静よ。貴方が帰国した後、トニーは「和音なら、こんなの簡単にやってのける」が口癖。わたしは貴方じゃない

「ええエマ、し知ってるだろ。お、俺がとトニーにああ合わせるために、どーれだだけれれ練習ししていたか」

ーー解ってる。だけど、貴方はトニーと合わせる時いつも完璧だった。トニーの即興にさえ、戸惑った様子さえなかった……わたし、もうトニーに罵られるのに耐えられない