あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

書き出した歌詞を読み返し、更に頭を整理し言葉を紬ぎ削除と書き足し、拓斗と奏汰に見てもらうを繰り返した。

「ニューヨークで結構、大変な思いをしたんだな。俺はいいと思うぜ」

「率直な気持ちが伝わっていいんじゃないか」

それぞれの感想をもらい、ホッと胸を撫で下ろしたのは刻限の2日前だった。

そこからは急ピッチだった。

歌詞を試行錯誤しながら整理し、頭の中で曲をイメージしていく。

間奏部分に挿入する曲の曲調とも合わせ、譜面を興した歌を弾いてみる。

エレキヴァイオリンで曲を奏で歌詞を乗せると、直ぐさま拓斗がベースギターを弾き、奏汰がドラムを叩いた。

「いけるんじゃないか?」

奏汰の笑顔に数日間の苦労が報われたと感じた。

フーと長い息を漏らし、床の上に大の字に仰向けになり、目を閉じて、快感を実感し始めた……時。

俺のスマホが鳴った。