あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」

つまり、俺はトニーを見限ったのだ。

トニーに振り回されることにうんざりし、留学期間の1年を期にSoleilを辞めてきたのだ。

あのまま彼らとのコラボをしていても、マイナスにはなっても得るものはないと。

エマは俺を泣いて引き留めたし、マネジャーもしつこいほど俺を説得しようとしたが、俺はそれを振り切って帰ってきた。

俺が帰国した後、Soleilはヒットチャートから急降下している。

8月にはまだBEST50にはランキングしていたと記憶しているが、今は圏外だ。

エマが数日おきにメールをしてくる。

大方、トニーへの愚痴と不満と戻ってきてコールだ。

俺は毎回、何がなんでもトニーを説得しろ、どんな手段を使ってもという内容のメールを返す。

超絶技巧演奏にファンがついていけていないんだと気づかせろと。