勝気な奴がいるなと思う。
「か花音、ソソソプラノ歌って。ア、アーールトう歌ーうから」
ムッとして、1年生を見つめている花音に言う。
「わかった」
花音は頷いて、ピアノの側に寄った。
俺のピアノ伴奏に合わせて歌う花音と勝ち気な1年生の音を聞きながら、1年生が思った以上に上手いことに気づいた。
俺はへぇー言い出しただけあるなと感心し、手加減は抜きで歌った。
俺が本腰を入れたのに気づいたのか、1年生が俺をギラついた目で睨んだのが感じとれた。
「歌ってくださいよ」と言った時、LIBERTEのボーカル綿貫和音の実力を舐めて自分の方が上手いと自負していたのだろう。
眉間に浮かんだ皺と大きく見開いた瞳が明らかに、動揺していることを物語っている。
俺がまだ路上で1人、歌っていた頃。
拓斗と奏汰が彼女と似た表情で、俺の歌を聞いていたのを思い出す。
「か花音、ソソソプラノ歌って。ア、アーールトう歌ーうから」
ムッとして、1年生を見つめている花音に言う。
「わかった」
花音は頷いて、ピアノの側に寄った。
俺のピアノ伴奏に合わせて歌う花音と勝ち気な1年生の音を聞きながら、1年生が思った以上に上手いことに気づいた。
俺はへぇー言い出しただけあるなと感心し、手加減は抜きで歌った。
俺が本腰を入れたのに気づいたのか、1年生が俺をギラついた目で睨んだのが感じとれた。
「歌ってくださいよ」と言った時、LIBERTEのボーカル綿貫和音の実力を舐めて自分の方が上手いと自負していたのだろう。
眉間に浮かんだ皺と大きく見開いた瞳が明らかに、動揺していることを物語っている。
俺がまだ路上で1人、歌っていた頃。
拓斗と奏汰が彼女と似た表情で、俺の歌を聞いていたのを思い出す。



