それから私はがむしゃらに走った。


肌寒い、夜の道を、ただただ真っ直ぐに走っていった。


すると…


ガシッ


「來羅?」

來羅「離してっ!」

「無理。泣いてんじゃん。」


泣いてる…?ていうか、誰?


私はゆっくり後ろを振り向く。


來羅「蛍、先輩?」


そこにいたのは、学校で会った、星月蛍先輩だった。


蛍「おう。で、なんで泣いてんの?」

來羅「は、離して!私は独りだから!お母さんたちのところに行くのっ!」