小林さんはザ、意識高い系女子って言う感じの可愛らしい見た目としゃべり方で男性にすっごく人気がある。

ふわふわに巻いた茶色い髪の毛は艶やかだし、くりくりした目はキュートだ。

服装もパステルカラーや白のふわっとしたものが多く、黒やグレーですっきりしたデザインのものばかり着る私とは正反対。

そんな小林さんの好きな人が同じ職場なんて。

彼氏ができたなんて知れたら本気で泣く人も多そう。

「だれだれ?…あ、もしかして、藤田くんとか?同期だし、仲もいいよね?」

ドキン。

藤田さんの名前が出た瞬間、私の心臓が暴れ出した。

だって、藤田さんは、私が、バレンタインに告白しようとしている人。

「えっ!そ、そうなんですか?」

びっくりして私も聞くと小林さんは、ふふっと笑った。

「さぁ。どうだろうね~。」

とはぐらかされる。

それって、ど、どっち⁉

私が、内心焦っている事なんて山崎さんは知るわけもなく、

「あれぇ?当たりだったぁ?」

と楽しそうだ。

「もう。その辺で止めて下さいよ。私より、二人は?」

あげるの?つくるの?チョコレート。

と小林さん。

山崎さんはとたんに大人しくなり、

「私は、まぁ、付き合って長いし、作ったりしないわ。」

一応、買っては渡すけど…。と恥ずかしそうに小さな声で言った。