「遠慮しなくていい。弱ってる時は人に頼れ。それに、山崎さんにも頼まれたんだ。」

「や、山崎さん?」

山崎さんってば!!なんて強引なんだろう。

「帰り道的にはあんまり変わらないし、遠回りにもならないのは俺ぐらいだからって。」

「そ、そうなんですか…。でも、体調なら本当に平気なんです。」

必死にそう言うと、藤田さんはすごく不機嫌そうな顔になった。

私、失礼な事言ったかな。

しばらく二人で無言で見つめあっていると、大事な事を思い出した。

「小林さんは、良いんですか?…一緒に帰らなくても。」

そうだ。バレンタインデートはしないのだろうか。

「小林?なんで今小林?」

藤田さんは、今度は心底不思議そうな顔になった。

「だ、だって、さっき小林さんがチョコレートと渡すねって言ってたし…。」

「チョコレート?あぁ。コレもらったなぁ。」

そう言うとポケットから小さな包みを出した。

「え、あれ?」

思わずそう言い、びっくりした。

だってそれは、朝私が貰ったおすそわけと同じで、本命用にラッピングされたものではなかったからだ。

「ん?コレがなんかあんの?」

「あ、いえ、その…。」

戸惑っていると、

「北河、なんか勘違いしてた?」

にやりと笑いながら聞かれた。