よりによって、なんで此処?

確かに、此処の料理は美味しけど・・・

こっちでの最後の晩餐になるかもしれないと言うのに、朝比奈と行った店だなんて、何という皮肉。

2人ともサッサッと中に入ってくし、帰るわけにも行かず、渋々あたしも店の中へと入る。


「いらっしゃい、ませ」


川口があたしを見て、驚いた顔をする。

だが、すぐに笑顔で招き入れてくれた。

席に着き、メニューを見ている2人の元へと向かう。


「結衣、何呑む?」

「あたしは、烏龍茶で」

「呑まない?」


亜弥が、不思議そうに聞く。


「うん。今日は良いや。明日、朝一て帰る予定だから」

「そう?」

「うん。あたしのことは気にしなくて良いから、2人は呑んで」


亜弥はまだ引っかかっているようだったが、特に追求することもなく、料理と飲み物を頼んだ。