『起きて、シャワー浴びてた。これから着替えて出る。9時半には、そっちの会社に着くように行く』

「わかった。なら、待ってるわ」

『あぁ。じゃ、後で』


電話を切り、あたしは最終確認をしながら、荷物を詰める。

よし!完璧!!

いつもより多めの荷物を手に、会社へと向かった。

会社の前で悠麻の到着を待っていたのだが、9時半になっても悠麻が来ない。

何してんのよ!!

イライラしながら、悠麻に電話を掛ける。


「もしもし悠麻?今どこ」

『会社自体は見えたんだけど、車が中々進まねぇんだよ』

会社の前からズラッと続く渋滞に、焦りが生まれた。


「悠麻、自分の運転?」

『いや。ドライバーいるけど』

「なら、走って」

『は?・・・冗談だよな?』

「時間に遅れるなんて、社会人失格だよ?」


悠麻はチッと舌打ちを零し、電話を切った。