極上の愛をキミへ

そこに、再び将生が戻ってくる。


「すいません。お待たせして」

「気にしなくて良いです。電話、大丈夫でしたか?」

「はい」


それからも朝比奈と将生が何やら話していたが、2人の会話が右から左へと流れていく。

しっかりしろ、あたし。

今は、仕事中だ。

悶々と、独り自分自身に言い聞かせる。


「高梨」


いきなり名を呼ばれ、ハッとする。


「お帰りだ」


朝比奈の言葉にやっと理解し、あたしは立ち上がる。

そして、下までお見送りする。


「お疲れ様でした。お気をつけて、お帰りください」

「お疲れ様でした、高梨さん。では、また」


桜川さんの言葉に、あたしは軽く頭を下げた。