『・・・ユウヒ?』
『!!
そう!祖父はそう呼んでた!みんなはユーヒと呼んでいたけれど』
そう言って彼は、少年のように笑った。
顔をくしゃくしゃにした屈託のない笑顔。
この世界でそんな風に笑ってくれた人は、初めてだ。
胸がキュウッとした。
『ユウヒ、とは言いづらかったんだと思う。
ニホンゴも、僕しか上手く言えなかったし』
『そうなの?』
『うん。意味は伝わるんだけど、どうもイントネーションが不自然で』
『ああ』
確かに、ここの人たちが言うアサヒは、私が言う旭と微妙に違う。
小さいけれど確かな違い。
それがなんだかおかしくて、悲しかった。
『ユウヒは、あ、ユウヒさんの方がいいかな』
『ユウヒで良いよ、僕もアサヒと呼びたいし』
『ありがとう』
笑みがこぼれた。
顔を見せてくれたとはいえ、まだ黒いローブで体の線はわからないし。
名前を教えてくれたとはいえ、まだ彼がどうしてここにいるのかはわからない。
それでも、私はユウヒといることが心地良かった。
また、あの少年みたいな笑顔が見たかった。
『ユウヒ』
『うん?』
『お祖父さんは、ユウヒの名前がどんな意味かとか、言ってた?』
『ああ。
祖父さんは夕方の眩しい光のことだと言っていた』
夕方の眩しい光・・・夕日。
そうか。ユウヒは夕日なんだ。
それはすとんと私の中に落ちた。
夜の色の髪と瞳を持ち、どこまでも眩しく明るく笑う。
夜と昼の淡いの時の光。
『!!
そう!祖父はそう呼んでた!みんなはユーヒと呼んでいたけれど』
そう言って彼は、少年のように笑った。
顔をくしゃくしゃにした屈託のない笑顔。
この世界でそんな風に笑ってくれた人は、初めてだ。
胸がキュウッとした。
『ユウヒ、とは言いづらかったんだと思う。
ニホンゴも、僕しか上手く言えなかったし』
『そうなの?』
『うん。意味は伝わるんだけど、どうもイントネーションが不自然で』
『ああ』
確かに、ここの人たちが言うアサヒは、私が言う旭と微妙に違う。
小さいけれど確かな違い。
それがなんだかおかしくて、悲しかった。
『ユウヒは、あ、ユウヒさんの方がいいかな』
『ユウヒで良いよ、僕もアサヒと呼びたいし』
『ありがとう』
笑みがこぼれた。
顔を見せてくれたとはいえ、まだ黒いローブで体の線はわからないし。
名前を教えてくれたとはいえ、まだ彼がどうしてここにいるのかはわからない。
それでも、私はユウヒといることが心地良かった。
また、あの少年みたいな笑顔が見たかった。
『ユウヒ』
『うん?』
『お祖父さんは、ユウヒの名前がどんな意味かとか、言ってた?』
『ああ。
祖父さんは夕方の眩しい光のことだと言っていた』
夕方の眩しい光・・・夕日。
そうか。ユウヒは夕日なんだ。
それはすとんと私の中に落ちた。
夜の色の髪と瞳を持ち、どこまでも眩しく明るく笑う。
夜と昼の淡いの時の光。



