はぁ。昨日は先輩のこと無視して勝手に帰っちゃったけど大丈夫かな。

でもいじめを無くすって無理だよな。

今日も僕の何かが無くなってるんだろうな。


僕はそう思いながら歩き学校についた。

ん?今日は靴がある。
また机の落書きとかかな。

ガラガラ────

「よ、よう。高宮…」

んぁ?誰今声掛けた?
高宮は僕ですけど、声掛けたの誰ですか。
まあいいや。とりあえず机みよ。

え、落書きないし。
なんでだ?今日はついに殴られるとか?

「おはよう…!高宮…!」

なんだよ、今度は挨拶されたし。そんなわけないか。
僕ついに幻聴まで聞こえるようになってしまったのか…

「っ、高宮!おはよう!」

冬「誰だよ!」

そう言い前の席をみるとクラスの小坂が座っていた。

え、いや、なんで挨拶してきたの?
君もいじめられたいのかな?ん?だったら僕と変わってくれよ。

小「おはよう!高宮!」

冬「お前かよ(ボソ…。で?なに?」

小「お、おはようって返してくれてもいいじゃん」

小坂はそう言うとむぅっとした顔でこっちを見てきた。

は?なんで。
まあ、返してあげるか

冬「…おはよ」

返すと小坂はぱあっとした顔でこっちを見てきた。
するとにこにこして友達になりたいなんて行ってきた。

冬「何言ってんの?え、君もいじめられたいの?」

小「そんなわけないじゃん!僕はただ高宮と友達になりたいの!いじめとか関係ない!」

そ、うなのね。でも僕といると虐められるよ?

小「それはもうないよ。だって昨日千尋先輩がいじめの主犯格に説教してたもん。」

は?なにそれ。先輩なにやってんの。

小「それであいつらも懲りたみたいでなんか転校するみたい。」

転校?!先輩どんな怒り方したんだよ…

小「多分今日高宮に謝ったら帰って転校の準備でもするんじゃないかな?」

お前はよくそこまで分かってるな…?

小坂とそんな話をしているといじめの主犯格が来て謝ってきた。

「今まで悪かった。俺らがやってたことは許されることじゃないって分かってる。でも悪かった。」

そ、そうですか。
まあ確かに謝られても許さないけど…

そいつらは謝ったら帰るらしく荷物を持って出ていった。

…でも小坂はあいつらがいじめを辞めるから僕に話しかけてきたのか?

あいつら今も辞めてなかったら話しかけてこないのか?

小「あのね。今まで助けてあげれなくて悪いと思ってる。だから僕もごめんなさい。」

小坂は僕の思ってることが伝わったのか謝ってきた。

小坂に対しての怒りもあったが話しかけてくれたからそんなのはどこかに飛んでいってた。

冬「別にいいよ。話しかけてくれてありがと…も、もしよかったら、僕と友達になってほしい…」

そう言うと小坂はまたぱあっとした顔で見てきて、もちろんだよ!といってニコニコしてた。




僕はその日からごみ捨てに行かなくなった。

先輩に感謝の気持ちを伝えたかったがごみ捨ての当番を毎回誰かがいってくれたから、先輩とは先輩が卒業するまで会うことは無かった。

卒業の日僕は先輩と話せずただ遠くから見ているだけだったから辛かった。

だから先輩の行く高校に進学し先輩に感謝の気持ちと好きって気持ちも伝えようとした。




────────────
千尋said

冬「まあ、こんな感じかな?」

冬弥くんはそう言うとえへへと笑い頬をかいていた。

あの時の子が冬弥くんだったなんて…

だって雰囲気が変わってたから全く気づかなかった…

冬「それはね、先輩に見てもらえるようにって俗に言う高校でびゅー?ってのをしてみた。」

そうだったんだ…

でも今まで忘れてて悪かったな…

千「今まで忘れててごめんなさい…」

冬「謝らないで!先輩には感謝の気持ちでいっぱいなんだから!…先輩、言うの遅くなっちゃったけど、あの時はありがとうございました。」

千「ううん。あの時は冬弥くんを助けるので精一杯でちゃんと説明しなくてごめんね?」

ちゃんと説明しておけばよかったなって思ってると冬弥くんが抱きついてきた。

小さな声で『先輩、本当にありがとう…』と言ってきて助けてよかったなって思えた。

ガシッ───

千「うにゃっ?!」

冬弥くんのことを抱き返してると急に後から肩を掴まれた。

後ろを振り向くと類がいた。

類の顔は笑顔に見えたが目が笑ってなかった。

類「いい話しだったのになんで抱きつかせてるのかなあ~?」

千「え、えへ?」

姫「かわいく笑ってもだめなの~!ほら、高宮も離れなさーい」

姫華も来て私たちを離そうとする。

冬「杉田先輩には関係ないじゃないですかー!まだ抱きついていたいですー!」

姫「だめー!あたしの千尋ちゃんなのー!」

類「ちょっとまって。流石のうちもその言葉は聞けないなあ?誰の千尋だってえ…?」

姫「ちょ、るーちゃん怖い!悪いのは高宮なのー!」

ちょ、ちょっと!みんな私のこと忘れてない!?
言い争いはじめないでよー!

姫華と冬弥くんなんて私に抱きつきながら言い争ってるし…

でもなんかこの事件は一件落着ってとこかな…?