私は、お母さんとお母さんの愛した人との間に出来た子どもではなかったの...?
私は、望まれない子だった...
「結愛!」
気づいたら雅楽の部屋を飛び出していた
そのまま、家を出て、ひたすらひたすら走り続けた
お母さん、お母さん、どういうことなの、
辛い思いをして出来たのがわたしだったの...?
教えてよ、お母さん
それからしばらく走り続け、気づくと川の近くへ来ていた
芝生に座って川を眺める
お母さんに、会いたい、話を聞きたい
そればかりが頭の中を駆け巡っている
どれくらいそうしていたのか、
「結愛!」
私を呼ぶ声で我に返る
振り返ると肩で息をしながら立っている大翔がいた
大翔は私の姿を見ると大きく息をつきながら隣に座った
「大翔、追いかけてきてくれたの...?」
「あぁ、でも途中で見失って焦った」
「ごめん」
「別にいーよ、けど心配した」
そう言って私の頭に手を乗せてきた大翔
そこから伝わる暖かい心につい本音が零れた
「私、望まれてなかったのかな」
「ん?」
「私は産まれるのを望まれた子じゃなかったのかな」
言葉にしてみるとますますその事が心にのしかかってくる
「おい」
急に鋭くなった大翔の声にぱっと横を見ると案の定険しい顔をしていた
「大翔...?」

