「うっ、美咲ぃ…」
とぼとぼと教室に戻り、親友の美咲に泣きつく。
竜崎くんはまだ教室に戻ってきてないみたいだ。
良かった。
「わっ、ひまり、どうしたの!」
「りゅ、竜崎くんがぁ…うわぁん…」
「またあいつ?
…もう別れなよ、あんな奴。
私の可愛いひまりをこんなに泣かせやがって。
あんっの男、マジで許さない。」
「み、美咲さん?」
びっくりして涙も引っ込んだよ。こわいこわい。
「…竜崎くんはもう私のことなんて好きじゃないって言うのも分かってるし、別れた方がいいんだってことも分かってる。
でも好きなんだもん!自分勝手って分かってるけど、別れたくないんだもん!
うわぁぁん!竜崎くんのばかぁ!」
「あーもう、よしよし。
ひまりはなーんも悪くない。
悪いのはあの顔だけ男。
どこまで不器用なのよ、あの馬鹿は。
私の可愛いひまりをこんなに泣かせるなんて、ほんっと許せないわ…」
「…竜崎くんは顔だけじゃないもん。」

