不器用男子の甘い溺愛



で、それからの彼というと。



冒頭に戻ります。



私が話しかけると、ダッシュで逃げる。



今もまた、目が合った瞬間に逃げられた。



委員会の時だって、必要なこと以外は何にも話さなくて。



必要なことを話す時だって、全く目を見てくれない。



「これなら付き合う前の方がまだ良かったよ…」



付き合う前だって、たくさん話すというわけではなかった。



でも、ここまでじゃ無かったはず。



野球部のことを教えてもらったり、おすすめの本について話したり。



野球部の人達については、あいつらは下心丸出しのただの馬鹿だから近づくなとか言ってたけど、そんな風に言える程仲が良いんだなぁって思った。



とにかく、もっと普通に話せていたはずだった。